おちゃらけミクロ経済学: 3月 2014

2014年3月13日木曜日

ミクロ経済学とマクロ経済学の違い その3

「経済政策」と「経済集計量による分析」について




前回、前々回に引き続き、
ミクロ経済学とマクロ経済学の違いを考えていきましょう。
今回は、「経済政策」「経済集計量による分析」です。




via Tumblr http://bit.ly/18seHAo / pds209




経済政策


ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(経済政策)






〔ミクロ経済学〕


政府の役割は限定的。原則的に政府は市場に介入すべきではない。


具体的なニュースを例として用いると、タクシーの規制問題などが挙げられます。
これらの記事を読んでいると、政府の役割はタクシー市場は適切に
機能するよう手を尽くすことであることが、書かれています。


HUFFPOST SOCIETY
「格安タクシー」が消える? タクシー業界の規制が強化される理由とは


朝日新聞デジタル
タクシー規制―構造改革が欠かせない



〔マクロ経済学〕


政府は広範な役割を果たす。
財政政策や金融政策でもって市場に介入することができる。




具体的な例を用いると、消費税の増税問題や
アベノミクスの第一の矢の金融緩和政策などが挙げられます。

財務省 
消費税引き上げの理由



内閣府
安倍内閣の経済財政政策



経済集計量による分析



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(経済集計量による分析)






財、サービス、労働、資産など、
多様な市場のデータを要約した経済尺度でもって分析する。



これはマクロ経済学独特の用語で、ミクロ経済学には定義がありません。


マクロ経済学では、一定期間内に国内で産み出された
付加価値の総額であるGDPや、経済における
全体的な価格水準を表す物価水準などを用いて、経済の動向を分析します。


このブログは経済集計量を用いて日本経済全体の動向を分析されています。


官庁エコノミストのブログ


(「ミクロ経済学とマクロ経済学の違い」シリーズ終わり)










2014年3月12日水曜日

ミクロ経済学とマクロ経済学の違い その2

「全体と部分の関係」と「長期成長」



前回に引き続きミクロ経済学とマクロ経済学の違いを考えていきましょう。
今回は、「全体と部分の関係」と「長期成長に対する考え方」についてです。




John Maynard Keynes Blogging, after Duncan Grant / Mike Licht, NotionsCapital.com




全体と部分の関係



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(全体と部分の関係)





まず、ミクロ経済学で正しいからそれを積み重ねっていっても、
必ずしもそれが正しいこととは限りません。



部分(ミクロ)が正しくても、全体(マクロ)では、間違ってしまうことがあります。
これを「倹約のパラドックス」という言葉で表すことができます。



〔倹約のパラドックス〕


1.経済が縮小

2.家計や企業は消費を抑制

3.企業の業績は悪化

4.従業員の解雇

5.経済がさらに縮小

(以下同じことの繰り返し…)


ちなみに、「倹約のパラドックス」の逆バージョンとして
「貯蓄のパラドックス」というのもあります。これは部分(ミクロ)は間違っていても、
全体(マクロ)で見ると正しいという例えを表しています。



〔貯蓄のパラドックス〕


1.経済が拡大

2.家計や企業は消費を拡大

3.企業の業績が好調

4.新たな従業員の雇い入れ

5.経済がさらに拡大

(以下同じことの繰り返し…)


〔参考サイト〕

証券投資用語辞典 倹約のパラドックスとは


長期成長に対する考え



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(長期成長に対する考え方)





〔ミクロ経済学〕



経済で生産できる産出量を一定としているため、
長期成長は考慮に入れていない。限られた希少な資源を
いかに効率的に利用するかという問題を考える。



例えば、JR各社は管轄地域のの鉄道輸送量を一定として、
線路や車両を効率的に利用するためには、
運賃をいくらにすべきかという問題を考えます。


〔マクロ経済学〕



社会全体がより高い成長率や高い生活水準を達成するために、
必要な資源の総量をどうしたら増やせるのかを考える。



具体的には必要な資源の総量を増やすためには、
インフラストラクチャー(輸送設備、電気通信など)や
人的資本(教育、労働人口の増大)の整備を行います。

(つづく)
















2014年3月7日金曜日

ミクロ経済学とマクロ経済学の違い その1

ミクロ経済学とマクロ経済学の違いとは何か?



ミクロ経済学を持ちネタにしていると、
「ミクロ経済学とマクロ経済学ってどう違うの?」と聞かれて、
答えに困ったことがあります。



今回のシリーズは、その反省を踏まえて、
ミクロ経済学とマクロ経済学の「違い」を説明していきます。



最後には、ミクロ経済学とマクロ経済学で
それぞれどんな「問題」を分析できるかを見ていきましょう。





Oh, just making bathroom graffiti with my John Maynard Keynes stencil. / Adam Keys




ミクロとマクロの違いは5つの視点から分析できる




まず違いですが、おおよそ次の5つの視点から、両者を区別することができます。

  • 概念
  • 全体と部分
  • 経済政策
  • 経済成長
  • 経済集計量


その上で、ミクロ経済学とマクロ経済学を表で区別すると、
次のとおりになります。


ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(まとめ)







ミクロとマクロ~概念の違い



ミクロ経済学とマクロ経済学の違い(概念)







もうこれはそのまんまですね(笑)
クルーグマン ミクロ経済学 にのっている定義をそのまんま使ってます。


表に書いていますが、一応テキストにも起こしておきます。


〔ミクロ経済学〕

人びとがどのように意思決定をし、そのような意思決定が
どう相互作用するかを学ぶ経済学の一分野


〔マクロ経済学〕

経済全体の浮き沈みを研究対象とする経済学の一分野



テキストによって多少言い回しの違いはありますが、
大体こんなところでしょう。大きくは外れていないはず。



次回は、全体と部分、経済政策について比較していきましょう。


(つづく)