おちゃらけミクロ経済学: 4月 2013

2013年4月26日金曜日

ブラック労働をするか否か その6

後方屈曲的な労働供給曲線について



前回のブログでは、賃金率が上昇したときに、
賃金と余暇の選択は、どのように変化するかを説明しました。



賃金率が低い水準にあるとき代替効果が強く、
余暇時間は減少する
(労働時間は増加する)。



代替効果が強いときの変化






賃金率が高い水準にあるとき所得効果が強く、
余暇時間は増加する
(労働時間は減少する)。



所得効果が強いときの変化







一般的な供給曲線とは異なる労働供給曲線




上記の関係を賃金率と労働時間の関係だけにしぼって言うと、
次のような表現になります。


  • 賃金率が低いときの賃金率上昇→労働時間は増加する
  • 賃金率が高いときの賃金率上昇→労働時間は減少する


さらに文章ではなく、作図で表現すると、後方屈曲的な労働供給曲線が出来上がります。
賃金率を縦軸、労働時間を横軸に取ります。




後方屈曲的な労働供給曲線



後方屈曲的な労働供給曲線





(つづく)

2013年4月25日木曜日

ブラック労働をするか否か その5

賃金率上昇の代替効果と所得効果について




ブラック労働をするか否かその3では、ビールとピーナッツの関係において、
「ビールの価格が下がった場合」、それぞれの消費数量が、どうなるかを説明しました。



(ビール)

  • 代替効果→消費量は増加する。ピーナッツと比較して相対的に安くなるため
  • 所得効果→消費量が増加する。価格そのものが安くり、消費者の購買力が上がりため
  • 総効果→消費量は必ず増加する



(ピーナッツ)

  • 代替効果→消費量は減少する。ビールと比較して相対的に高くなるため
  • 所得効果→消費量が増える。ビールの価格が安くなったことにより、購買力が上がるため
  • 総効果→消費量の増減は分からない。代替効果と所得効果のどちらが強いかによる





RIMG0222 / vaboo.com



予算制約線を外側に回転





ビールとピーナッツの関係において、「ビールの価格が下がった場合」というのは
作図をすると下の図のようになります。予算制約線が外側に回転します。



ビールの価格が下がった時の代替効果









賃金と余暇の関係において、この図と同じ状態にするためには、
「賃金率が上昇した場合」と置き換えることができます。



賃金率が上昇したときの代替効果






代替効果と所得効果のどちらが強いか?





賃金が上昇したときに注目すべき点は、果たして余暇が増加するか、減少するかということです。
代替効果と所得効果のどちらが強いかによって、反応は異なります。



代替効果が強ければ、余暇時間は減少します。
賃金率が低い水準にあるとき、代替効果が強いといわれています。



代替効果が強いときの変化









所得効果が強ければ、余暇時時間は増加します。
賃金率が高い水準にあるとき、所得効果が強いといわれています。




所得効果が強いときの変化






(つづく)

2013年4月19日金曜日

ブラック労働をするか否か その4

代替効果と所得効果の補足説明




今回のブログは、前回のブログで載せた作図の補足説明です。
前回の作図と合わせて、ご覧下さい。



前回、ビールとピーナッツの予算制約線において、ビールの価格だけが下落した場合、
無差別曲線予算制約線最適消費点がどのように変化するかを説明いたしました。
今回は、このうち最適消費点に絞って作図をしていきます。





beer

beer / galaygobi





最適消費点の変化





1.ビール価格の下落前の元々の消費点


最適消費点の現状







2.下落後、限界代替率の変化→主観的な好みの変化



代替効果による最適消費点の変化








3.厚生の変化→全体的なパイの増加



所得効果による最適消費点の変化







なお、ビールの価格が下落した場合、2だけとか3だけの変化が現れる、
というわけではありません。1→2→3の順番で、一連の変化として、総効果が発生します。
(つづく)





2013年4月18日木曜日

ブラック労働をするか否か その3

所得効果+代替効果=総効果




賃金が下落したとき、サラリーパーソンの労働時間は増えるのか?
それとも減るのか?(前回のブログ)この問いに答えるためには、


  • 所得効果
  • 代替効果


というキーワードに関する知識が必要となりますが、それに加えて、


  • 総効果


というキーワードについても知っておく必要があります。



話を簡単にするため、賃金と余暇の関係ではなく、仲間が集まったときに
ワイワイと話の花を咲かせるために必要な、ビールとピーナッツの関係に置き換えて、
それぞれの効果について考えていきましょう。





beer the third / rjw1

beer the third / rjw1





ビールの価格が下落すると…





例えば、何らかの理由でビールの価格だけが下落したとしましょう。
するとビールとピーナッツの消費可能性と最適消費点は、
次の1~3のように変化していきます。



1.ビール価格の下落前の元々の消費点



所得効果と代替効果(現状)









2.下落後、代替効果で、ピーナッツと比べた時、ビールの相対価格が安くなり
ビールの消費可能性が上昇します。



所得効果と代替効果(代替効果)









3.次に、ビールの価格そのものが安くなったことにより、仲間うちの購買力が上昇
新しい消費最適点が出現します(結果的に、ビールの消費量増加、ピーナッツの消費量は減少)。



所得効果と代替効果(所得効果)









所得効果の作用+代替効果の反作用=???





上記の例では、ビールの価格下落により、



  • ビールの消費量は増加
  • ピーナッツの消費量は減少



というシナリオでしたが、実際のところピーナッツの消費量に関しては、増加するか、
下落するかは分かりません。
以下の表で示すように、ピーナッツはビールと違って
所得効果と代替効果が逆に作用するからです。



所得効果+代替効果=総効果








(つづく)








2013年4月17日水曜日

ブラック労働をするか否か その2

所得効果と代替効果について




さて会社や団体にお勤めされているサラリーパーソンの方が、
賃金の下落に直面したとします(前回のブログ)
このときサラリーパーソンの労働時間は、どのように変化するでしょうか?


  1. 労働時間は減る(消費水準を落とすことに決めた!)
  2. 労働時間は増える(消費水準は何としても維持したい!)
  3. 労働時間は変わらず(とりあえずガマンしてやりすごす)


答えは、「その人の選好による」です。もしくは
「所得効果と代替効果のどちらが強いか」とも言えます。



ここから先は、所得効果代替効果の説明を分かりやすくするために、
賃金と労働(余暇)の関係については、一旦置いて、
仲間内でワイワイと盛り上がるための、ビールとピーナッツの購買について
お話を進めていきましょう。





ゆでたて落花生(ピーナッツ)をビールで頂く

ゆでたて落花生(ピーナッツ)をビールで頂く / yto





所得効果って何だろう?





所得効果とは、価格の変化によって、財の消費可能性が変化することです。
作図で示すと次のよう感じです。



所得効果







例)何らかの理由でビールが安くなった

仲間の会費収入は変わってないけど、ビールもピーナッツもより多く買うことができるようになった。



代替効果って何だろう?





代替効果とは、価格の変化によって相対的に高くなった財を
相対的に安くなった財で、代替すること
です。作図で示すと次のよう感じです。



代替効果








例)何らかの理由でビールが安くなった

ピーナッツの価格はそのままでも、ビールが相対的に安くなり、ビールを多く買うようになる
(つづく)





2013年4月16日火曜日

ブラック労働をするか否か その1

あなたは賃金が下がったらどうしますか?




まず、下の図をご覧ください。国税庁が発表した「平成23年民間給与実態統計調査結果」です。
平成9年(1997年)をピークとして、平成23年(2011年)まで、サラリーマンの平均年収が、
下落にあることが分かります。



年収ラボ
国税庁






日本に住むすべての人の収入が、下がっているとは言えませんが、
日本の就業者が、5,000万人をこえることを考えれば、全体的に下落傾向であるといっても、
差し支えはないでしょう。




Salary Mens

Salary Mens Figure: Satoshi / Z-Grade





賃金が下がったら労働時間はどうしますか?





さて、今回は「下がった賃金をどうやって上げるか?」ということは、主題ではありません。
「賃金が下がったとき、労働時間をどうするか?」というのが、主題です。



賃金が下がった場合、サラリーマンの方は、次の3つのうち、
どれかの反応を示すでしょう。



  1. 「よっしゃ!労働時間を増やそう!」(余暇時間を減らそう)
  2. 「やってられるか!労働時間を減らそう!」(余暇時間を増やす)
  3. 「しゃーないガマンするか…」(労働時間も余暇時間も変わらず)




所得効果と代替効果





このブログを読んでくださった方は、どの反応をされるでしょうか?
おそらく答えは、1~3のどれでもなく、「状況による」でしょう。
それが正解だと考えられます。



しかし、ミクロ経済学のブログで「状況による」と片付けてしまっては、
この先、書くことがなくなってしまいます。したがって「労働者の選好による」と
答えていただければ、幸いです。



加えて専門的な言い方をすると、賃金の下落により所得効果代替効果
どちらが強いかによって、答えが異なるとも言えます。
(つづく)






2013年4月9日火曜日

ブラック労働予防策 その3

「傾き」があきらめの費用を表す




労働者は事業主からの雇用条件を受け、労働に関する自分の満足度を
最大化しようとします(前回のブログ)。そのことを作図で表すと、この通りになります。



無差別曲線と予算制約線







このとき無差別曲線(赤)の限界代替率と、予算制約線(青)の相対価格は等しいと言います。
今回のブログでは、限界代替率と相対価格の意味について触れてみます。



限界代替率とは?





限界代替率無差別曲線の傾きのことで、効用(主観的な満足度)を維持するために、
余暇1時間を追加した場合に、賃金をどれぐらいあきらめなければならないかを示します。



無差別曲線







(特徴)

  1. 数式はMRS=MUw/MUvで表す
  2. 右下がり
  3. 傾きが常に変化
  4. 余暇が少ないとき(AB間)は傾きが急だが、多いとき(CD間)は傾きが緩やか



このうち3番目の特徴について、詳しく説明すると次のとおりになります。



  • 余暇時間が少ないとき

疲れているので余計に休息を取ることは非常に貴重→多くの賃金を失うに値する


  • 余暇時間が多いとき

疲れていないので余計に休息をとっても貴重ではない→引き換えにする賃金は少ない




相対価格とは





相対価格予算制約線傾きのことで、余暇で測った賃金の価格を表します。



予算制約線





(特徴)

  1. 数式はPw/Pvで表す
  2. 右下がり
  3. 傾きは一定


こちらは直線なので説明することは特にありません。




ブラック労働に陥らないための心得





これらの限界代替率相対価格が等しいとき、
労働者は所与の条件(雇用条件)の中で最大の満足を得ることができます。



ブラック労働と言ってもそれなりの労働条件はあります。
(違法か合法かとか、明示的か暗示的かは別にして)



このように、労働者としての満足度を、どのように組み合わせるか考えておくことが、
ブラック労働に陥らないためのひとつの対策となるでしょう。
(「ブラック労働予防策」シリーズおわり」)





2013年4月8日月曜日

ブラック労働予防策 その2

あきらめの費用・限界代替率と相対価格




前回、ミクロ経済学の概念の使って、ワークライフバランスを考えてみました。
作図で説明すれば、こんな感じです↓



賃金と余暇の最適な組み合わせ






  • 赤色の線→無差別曲線
  • 青色の線→予算制約線


無差別曲線は、労働者にとっての労働に対する選好で、
予算制約線は、事業主の賃金と余暇に関する雇用条件であるともいえます。



限られた予算制約線(雇用条件)の中で、労働者の最大の満足度を達成し、
ワークライフバランスをとってみよう
というのが、記事の主旨です。






Labour's Pre-Budget Priorities / The Labour Party





数式で表す・限界代替率と相対価格




さて、この直観的な図は、数式で表すこともできます。




  • MUw/MUv = Pw/Pu (限界代替率 = 相対価格)




しかし、いきなり限界代替率やら相対価格と言われても、初学者の人にしてみれば、



「は?なんのこっちゃ?」



ということでしょう。したがって、ここでは左辺は赤色の線の傾きを、
右辺は青色の線の傾きを表し、両者は等しく、だから交わっている、
ぐらいに思っておきましょう。




「稀少性」にかかわる限界代替率と相対価格





そもそもなぜ限界代替率相対価格などという概念があるのでしょうか?
それは、経済学自体が、「稀少な資源の配分」を考える学問だからでしょう。



初学者用の経済学のテキストを読んでいると、
最初の方に「稀少性」とか「トレードオフ」について説明されています。



非常に大ざっぱな言い方ですが、限界代替率相対価格というものは、
2つの財・サービスについて「あちらを立てればこちらが立たず」の関係を表します。
または「あきらめの費用」とも、言えるかもしれません。



はじめはとっつきにくい考え方かもしれませんが、最初は「あきらめてください」。
次回のブログでは限界代替率相対価格の詳しい内容は、述べようと思います。
(つづく)




※雇用契約で余暇時間を直接規定するわけではありませんが、労働時間は規定されています。
24時間から労働時間を控除すれば、ザックリとした余暇時間は求められます。





2013年4月7日日曜日

ブラック労働予防策 その1

労働の満足度を変える方法について





労働者にとって賃金も余暇も多いことにこしたことはありません。
しかし、両方とも自分の満足を上回る賃金や余暇を消費していると考える人は、
多くないでしょう。



「ブラック企業」という単語が、巷間噂されるのも、
自分のワークライフバランスについて満足が得られないと感じる人が
多くなっているからだと、管理人は考えます。




それなりの賃金は支払われているが、余暇時間が少なすぎ








余暇時間はあるが、賃金が低すぎ








賃金と余暇の組み合わせを変える





もっとも経済学でいう満足度というものは主観的な感覚を表すので、
たとえ労働条件が変わらなくても、自分の満足度を上げることはできます。
賃金と余暇の組み合わせを変えれば、良いのです。



ここから先でご紹介する内容は、サラリーパーソンにとっては難しい内容かもしれません。
労働条件について恣意的な変更が難しいからです。ですがここでは、そういう考え方もあるんだな
という程度に取っていただければ幸いです。



自分の考え方にいろいろな選択肢があると、周りのことがよく見れるようになると思います。





正丸峠なう。 #mountain #bicycle #sky #イマソラ #自転車 / torisan3500





高校数学の知識で満足度を上げる





さて、労働者として自分の満足度を向上させるとは、こういうことです↓
高校数学の微分の授業で、「接線の傾きを求めよ!」という問題にも出てくるアレです。



賃金と余暇の最適な組み合わせ







ミクロ経済学よりの言葉を使えば、点Aでは時間配分予算制約線無差別曲線が、
接していると言います。このときの点Aでの組み合わせは最適となり、
最大の効用(主観的な満足度)が得られることになります。



言い換えればこのような状態のとき、個人にとってワークライフバランスが
取れている
と言えるでしょう。
(つづく)





2013年4月5日金曜日

ブラック企業攻略 無差別曲線を知る その2

無差別曲線はなぜ必要か?




前回のブログでは、個人にとって同じ効用を生み出す、
すべての消費の組み合わせを示した曲線である、無差別曲線について書きました。



この無差別曲線は、消費者の選好を表すので、選好を反映した特定の性質をもちます。
その性質とは、次の4つです。





Satisfied / Mel B.




無差別曲線の性質






























無差別曲線を理解する意味




ところで、なぜ無差別曲線を理解する必要があるのでしょうか?
それはブログの記事のタイトルにある通り、ブラック企業を客観的に分析して、
いざという時に冷静な対処をするためです。



すでに広く使われている言葉(この場合はミクロ経済学の言葉)
を使って状況を説明することができると、
他の人にも説明しやすく、またアドバイスも得られやすいでしょう。



この無差別曲線の概念を知ると、1日24時間の限られた時間のうち、
どれぐらい賃金と余暇に配分すれば良いのか、視覚的に分かりやすくなります。



働いてしんどいとき、自分にとって、満足度は高いのは、賃金なのか、余暇なのか、
迷ったときは無差別曲線の考え方に立ち返り、他の人とも相談ししてみましょう。
(「ブラック企業攻略 無差別曲線を知る」シリーズ終わり)






2013年4月4日木曜日

ブラック企業攻略 無差別曲線を知る その1

個人の満足度を表す無差別曲線について




たいていの人は賃金と余暇について、少ないよりも多い方が良いと考えるでしょう。
といっても、1日には24時間しかありません。おのずと限られた時間で、
賃金のための労働を取るか、休息のための余暇を取るか、両者のトレードオフの問題になります。



前回のブラック企業における限界効用シリーズでは、
両者の1時間あたりの限界効用を合わせることによって、
最大の満足を得る、最適消費のルールについて書いてみました。



1時間あたりの限界効用による最適消費のルールは、数式で表しましたが、
今回は、直観的に分かりやすいグラフで表現してみましょう。






KidRockers @ Mo Pitkins’ House of Satisfaction 6/10/07 / Maryanne Ventrice



無差別曲線とは?





例によって縦軸を賃金、横軸を余暇の時間とすると、
原点に向かって凸な曲線が出来上がります。これは無差別曲線と呼ばれるものです。
個人にとって同じ効用を生み出す、すべての消費の組み合わせを示した曲線のことをいいます。



無差別曲線(1)







この無差別曲線上は、常に同じ満足度を表します。
点Aと点Bでは、賃金と余暇の組み合わせが異なりますが、満足度はどちらも同じです。
仮に500バリューという単位で表すと、この曲線上ではすべてが500バリューとなります。



無差別曲線(2)







異なる満足度を表す無差別曲線マップ





もし、主観的な満足度が異なる場合は、600バリューとか、450バリューという具合に
異なる数値と曲線で表されることになります。このようにさまざまな無差別曲線
集合体を無差別曲線マップと呼んだりします。



無差別曲線マップ








※バリューというのは、管理人が任意でつくった満足感を表す単位のこと。
キログラムやリットルのように基数的な意味はありません。
(つづく)






2013年4月1日月曜日

ブラック企業における限界効用 その4

一般的な原理・最適消費のルール




前回のブログでは、労働者が1日を過ごすときに、
労働(賃金を得る行動)と余暇にどれぐらい時間配分をすれば良いか?
ということについて、お話をしました。



そのときに必要な考え方が、1時間あたりの限界効用という考え方です。





時間列車 / dorahon





賃金と余暇で最大の満足度を得るためには





賃金と余暇について、1時間あたりの限界効用を数式で表すと次のようになります。



  • 賃金の限界効用 / 時間 = MUw / Hw
  • 余暇の限界効用 / 時間 = MUv / Hv  



ただし、MU:限界効用 H:時間 w:賃金 v:余暇



そして、1日24時間という限られた制約の中で、労働者が最大の満足度得るためには、
次の式を成立させなければなりません。



  • MUw / Hw = MUv / Hv (賃金の限界効用 / 時間 = 余暇の限界効用 / 時間)



最適消費ルール





賃金と余暇の限界効用を等しくし、最大の満足を得るという考え方は、
ミクロ経済学の最適消費ルールとして、一般的な原理を表すものです。



消費者が予算制約に直面しつつ、効用(主観的な満足度)を最大化しているなら、
消費の組み合わせに含まれるそれぞれの財・サービスの1単位あたり(1時間、1円)の
限界効用は、同じになるということです。



経済学的にブラック企業を説明しようとすると、
1時間あたりの限界効用最適消費ルールについて、理解する必要があります。
(「ブラック企業における限界効用」シリーズ終わり)