おちゃらけミクロ経済学: 効率性とは何か? その1

2013年8月1日木曜日

効率性とは何か? その1

「効率的」=「総余剰の最大化」



普段の会話でも使われる言葉に「効率的」という言葉があります。
「●●●は効率的だ!」とか、「効率的な▲▲▲を目指して」!とか、
気軽に使われていますが、「効率的」とは、ミクロ経済学でもキッチリと定義された専門用語です。



【効率的】
他の人びとを犠牲にすることなく誰かの暮らしを良くするような
あらゆる機会が活用しつくされているときの市場や経済の状態。





名古屋コーチンのたまご / yto





この言葉の定義だけでは、「効率的」な状態は分かりにくいかもしれません。
この「効率的」な状態を作図で表現すると、次のような図になります。



市場の余剰の最大化






消費者余剰と生産者余剰





上の作図の状態は、効率的でもあり、市場の総余剰を最大化しているとも言います。
総余剰を最大化している状態では、消費者と生産者という、2種類の取引参加者は、
それぞれの取引利益を、最大化しています。この取引利益余剰とも言われます。



消費者余剰の最大化






生産者余剰の最大化




取引は均衡に達するまで行われる





例えば、1個10円で100単位の取引で均衡している鶏卵の販売市場で、
15円でその鶏卵を買うことができる消費者にとって、
その取引に応じれば、5円分が取引利益であり、余剰であるとも言えます。



消費者の余剰の例





1個10円で均衡している鶏卵の販売市場で、8円で鶏卵を販売できる
生産者にとって、その取引に応じれば、2円が取引利益であり、余剰であるとも言えます。



生産者の余剰の例





全ての売り手と買い手が、価格受容者となる完全競争市場では、
均衡点に達するまで取引が行われます。このような状態を指して、


  • 市場は効率的である
  • 市場は総余剰を最大化する


とも言います。
(つづく)







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