おちゃらけミクロ経済学: 限界分析の原理 「ちょうど」の考え方その3

2013年1月17日木曜日

限界分析の原理 「ちょうど」の考え方その3

限界費用逓増と限界便益逓減はワンセット




前回のブログでは、家康くんのマンツーマントレーニングについての、費用を分析してみました。
今回のブログでは、便益(収入)について考えてみましょう。



家康くんは、マンツーマントレーニングの指導報酬について、
1人ひとりの時間やニーズに合わせて、相対(あいたい)で決めています。
(1回○○○円と決めているわけではありません)。



忙しくても効果的なダイエットトレーニングを、
受けたいと思っている人にとっては、少々高い報酬を支払っても良いと考えるでしょう。



逆に、自由になる時間が多く、ある程度ダイエットについて自分で勉強し、
トレーニングができる人にとっては、それほど高い報酬を支払うことはないでしょう。



スケートの練習

ALG_0496 / nikontino



限界便益(限界収入)の分析



仮に家康くんのお客さんは、マンツーマントレーニングについて、
1回あたり、次のような価格で報酬を支払いたい、と考えているとしましょう。


  • 3,500円が1人
  • 3,000円が1人
  • 2,600円が1人

…etc


すると家康くんの便益(収入)分析は、このようになります。



マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)



マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)



また、この表をグラフにすると、指導の人数を増やせば増やすほど、
Y軸(限界便益)の値が低くなっています。この現象は、限界便益逓減という性質を表しています。
直感的な言葉を使うと、「やってもやっても余計に儲からない」という感じです。



マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)(グラフ)



マンツーマントレーニングの限界便益(限界収入)(グラフ)



限界便益逓増という考え方もある



もちろん、すべての活動において、「やってもやっても余計に儲からない」という
限界便益逓減の状態が、発生するわけではありません。




ミクロ経済学で、いわゆる「独占」と呼ばれる企業では、
「やればやるほど余計に儲かる」という状態が発生します。
(といってもある一定量の販売(生産)に限られており、永遠に続くというわけではありませんが)



また、個人レベルの活動になると、限界便益逓増という現象も見られます。
例えば「便益 = 面白さ」と考えられるスポーツなどは、その典型例です。



最初は、動きもぎこちなく、ゲームをしていてもあまり面白くありません。
しかし体力がついたり、動きに慣れてきたりすると、「面白さ」はプレーする量と比べて、
ずっと大きくなります。




ただし、ミクロ経済学を学習する上では、限界便益(限界収入)逓減の方が、
基本的な考え方になります。しばらくは、前回のブログで登場した限界費用逓増
限界便益(限界収入)逓減とセットで覚えてしまいしょう。
(つづく)




【関連エントリ】


限界費用逓増の法則と微分 その5





0 件のコメント:

コメントを投稿