おちゃらけミクロ経済学: 規模の経済と規模の不経済その2

2013年1月5日土曜日

規模の経済と規模の不経済その2

仮説と需要予測



前回のブログでは、「仮説上の需要」について、こだわって記事を書いてみました。
需要にあえて「仮説上の」と修飾語をつけています。



それは、最初に想定する、需要の内容や期間によって、企業(会社)が生産のために、
最初にかける費用(固定費用)の額が、異なり、利潤に大きな影響を与えるからです。
今回のシリーズでも、具体例を用いて考えていきましょう。




固定費用・固定投入物

minster-press / leecontracting




藤吉郎くん、2号店店長に就任




前回シリーズの「利潤最大化と費用」で、信長くんはソフトクリームビジネスをはじめ、
1号店を見事にヒットさせました。



そこで、ソフトクリームビジネスで培ったノウハウをもって、
今度は、2号店をとなり町に出店することを考えています。



ソフトクリームビジネス

/ y_katsuuu


ただ、信長くんは、自分で2店舗も経営する時間はありません。
そこで、1号店の従業員で、目端が利く、藤吉郎くんを2号店の店長に抜擢して、
店を任せることにしました。



そして、信長くんが、藤吉郎くんに店長を任せるときに、
ソフトクリーム販売の心得として、次の3か条を言い渡しています。

  1. 販売価格は常に同じ
  2. 費用は常に低くする
  3. 利潤が最も大きくなる生産量を見つける

さすがはソロバン勘定に、キビシイ信長くんです。
店は他人に任せても、数字は自分でコントロールしようという、ハラづもりです。



ちなみに、藤吉郎くんは、2号店の店長として、
ソフトクリーム製造機や、冷蔵庫などを購入するためのお金を扱う権限や、
労働力としてアルバイト従業員を採用する独自の権限も持っています。



また、1~3の条件通りに、2号店を軌道にのせるためには、
1年ほどの「長い猶予期間」を与えられています。



藤吉郎くんの仮説




藤吉郎くんにとって、上司の信長くんは「頑張りましたが、利潤は出ませんでした」とは、
口が裂けても言えない相手です。そこで目端の利く藤吉郎くんは、2号店で販売する
ソフトクリームの需要予測と、固定費用可変費用についての配分を、慎重に考えました。



このとき、藤吉郎くんの頭の中にインプットされている仮説が一つあります。
「長期的には2号店のソフトクリーム販売量(生産量)は増加する」。
(仮に2号店の周りには、1年後、大学のキャンパスが新しく設置されるとしましょう)



仮説を立て、需要予測を立てた藤吉郎くんは、次に設備投資をはじめました。
しかし、ここでソフトクリーム製造機や冷蔵庫など、いわゆるビジネスの固定投入物
使う費用について、なんと1号店の倍の金額を使い始めました!大丈夫なのでしょうか?
(つづく)






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