おちゃらけミクロ経済学: 規模の経済と規模の不経済その1

2013年1月4日金曜日

規模の経済と規模の不経済その1


利潤 = 総収入 - 総費用



企業(会社)が活動をしている、最大の目的は「利潤」の獲得です。
企業(会社)が一定期間に算出する「損益計算書(P/L)」を見ると、
「売上粗利益」、「営業利益」、「税引き後純利益」etcなど、
「利潤」の概念と近いものが、必ず登場します。



本来、ミクロ経済学で「利潤」というと、人件費や経費など「目に見える費用」に加えて、
「目に見えない費用」である機会費用も存在します。
ですがここでは、ざっくりと「経済利潤 ≒ 会計利潤」ということにしておきましょう。



これら「利潤」「利益」の考え方は、「利潤 = 総収入 - 総費用」という
単純な計算式に基づいています。会社など営利企業にお勤めをしたことがない、
学生さんも、利潤の考え方は、直感的で分かりやすいと思います。



(そして営利企業に勤めたことのある方ならば、仕事時間のほとんどを
「なんとか利益」について考える(考えさせられる)ことが、仕事となるでしょう)




電卓で利潤を計算!

Calculator and Money / Images_of_Money





「事業部長」の立場で考えよう




あなたは、ある企業(営利会社)にお勤めし、新規事業の事業部長を任せられています。
社長からは、その新規事業について、次のような条件が、付けられています。


  1. 販売価格は常に同じ
  2. 費用は常に低くする
  3. 利潤が最も大きくなる生産量を見つける


また、あなたは、事業部長として、土地や設備などを購入するためのお金を扱う権限や、
労働力として、就職希望者を採用する権限も、持っています。
社長が提示した3つの条件を満たすためには、どうすれば良いでしょうか?




ビジネスマン

Always the business man. / Matt Erasmus


仮説に基づいて利潤をはかる



もし、管理人がこの会社の事業部長であれば、
社長に対して、「そんな新規事業はできません」と答えると思います。
(もっとも、こんな答えをすると、「クビ」にされるぐらい、自分の立場が悪くなるでしょう。
実務的には、「できるかどうか状況によります」と答えるのが、「おとなの模範解答」でしょう)



もちろん、そんな「正直な答え」をするのは、新規事業の内容や、
経費の具体的な数値を提示されていないという、技術的な理由に求めることもできます。



ですが、この場合、新規事業の「周りの状況」が、よく分からないというのが本当の理由です。
「周りの状況」というのは、抽象的な言い方なので、「需要」という言い方もできると思います。



需要

Spring Time Cooking Class - Kitchen Garden, Shot Tower Square / avlxyz


もちろん、企業(会社)は「供給」することが仕事で、
「需要」は相手任せになるので、それこそ「よく分からない」というものです。



従って、企業(会社)としては、「これぐらいの需要があるだろう」と、
「仮説を立てる」ことが、非常に重要になります。
その仮説を立てることなく、新規事業を立ち上げようとしたことについて、
「できません」としたことが、管理人の真意です。



では、なぜ、「仮説を立てる」にこだわるのでしょうか?
それは、その仮説上の需要によって総費用や、企業の「利潤」を大きく左右するからです。
(つづく)





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