おちゃらけミクロ経済学: 8月 2012

2012年8月31日金曜日

税金とクルーグマン

経済学のテキスト





管理人は普段、



ポール・クルーグマン
ジョセフ・E・スティグリッツ
グレゴリー・マンキュー



このお三人様の経済学テキストを愛用しております。
エピソードが、めっちゃおもしろいんですよね。
おさん方とも、高名な経済学の先生方です。




経済学のテキストはおもしろい!



経済学はアカデミックエンターテイメント



中でも、クルーグマンのテキストが一番気に入っております。



テキストの冒頭で、
「(経済学は)アカデミック・エンターテイメントだ!」
と豪語されています。なるほど!と思いました。



個人的にいたく気に入って
いろんなところでこの言葉を使わせてもらってます(勝手に)




このブログのURLでもそうです。
一部をacademicentertainmet1とさせてもらってます(無許可で)




著作権関係の本も、いろいろと読んでみましたが、
一般名詞それ自体を使う場合は、セーフらしいので大丈夫だと思ってます。




著作権はセーフ




クルーグマンもマンキューもヨット税に注目!



マクラのところでテキストのお話を振ったのには理由があります。
クルーグマンマンキューのテキストに共通したエピソードが登場します。
それは、「ヨット税」のエピソードです。




ヨット税とヨット




富裕層からの税収UPを目的としたという主旨の税金です。
1990年にアメリカで制定されましたが、
思わぬ「副作用」をもたらして、わずか3年でに撤廃されたそうです。



このお話も需要曲線と供給曲線をいじれば、分析が可能となります。


需要と供給





需要と供給






次回のブログでは、このお話についてもうちょっと突っ込んでみましょう。




2012年8月30日木曜日

死荷重のしくみ

作図で死荷重を確認





前回では「三角形」に注目してくださいって言って終わりにしました。
「三角形」とは、グレーで示した⊿EABの分だけ、の部分にあたります。
この部分は「社会的な損失」となります。



課税によって発生した死荷重





課税によって発生した死荷重





死荷重の意味




死荷重が重大な意味をもつのは、取引による利益に含まれなくなるからです。
もともとのわが町のタクシー市場の需要と供給の図を見てみましょう↓



需要と供給の図




需要と供給の図




次に物品税が課税された状態を見てましょう↓
課税を作図で表現すると、X軸のある点で、線分ABのように「くさび」をかけることです。



政府の税収がかかった図




政府の税収がかかった図




そして元々、需要者にも、供給者にも存在していた、
取引の利益による三角形の部分と、長方形の部分を合わせてみましょう


台形の図




台形の図



もうお分かりでしょうか?
最初の大きな三角形と最後の台形では面積が違います。
⊿EABの分だけ、明らかに台形の面積が小さくなっています。





死荷重=「課税による失われた費用」





この小さくなった部分こそが、
「課税による失われた費用」となります。



政府も社会の構成要素の一つです。
政府税収によって市役所のパソコンも、国家公務員のお給料も賄われています。
しかし、この「死荷重」は「失われた課税の費用」として誰のトクにもなりません。



経済学のテキストでは、税金に関する記述が頻繁に出てきます。
それは経済学の考え方を使って「失われた課税の費用」を分析し、
「誰」が「どのように」を負担するか算定できるからでしょう。



ちなみに需要曲線と供給曲線を少しいじれば、
「誰」が「どのように」税の負担をするのかが見えてきます。



それは、また別の記事で紹介したいと思います。

(* ̄▽ ̄)ノ~~ マタネー♪





死荷重と利潤

経済学とは思考実験です





さて、今回は 思考実験から入ってみましょう!





思考実験



経済学という学問も、一種の思考実験です。




一見複雑な事象を「経済理論」にかざして単純化し、
さまざまな問題を解決していきます。前回のブログで言っていた社会的損失も複雑な事象です



平たく言えば、



「複雑な世の中にすメスを入れ、部下の探偵どもを世に放ち、
~~~、なんちゃらかんちゃら~~~」



っていう「探○ナイトスクープ」の歴代局長の
ありがた~いお言葉みたいなもんですわ(笑)



売上税の徴収とは?





以下の仮想空間を「我々が住む町のタクシー市場」と想定してみましょう。
タクシー市場は事業者とお客さんが話し合いで自由に料金を決められるとします。



タクシー市場



と、まあ作図するとこんな感じになりますか。



わが町のタクシー市場






そしてこの仮想空間に次の条件を入れてみましょう。




「市当局は乗車1回につき200円のタクシー事業者に対し、タクシー税という売上税を徴収する」
すると、タクシー事業者は値上げを開始します。この場合600円のところまでです。





タクシー税が徴収されるわが町のタクシー市場




供給曲線の上方シフト



なんで600円のところかって?
良い質問です。



乗車料金が600円になると
もともとのタクシー市場においてお客さんは8,000回しか乗車しません。
乗車料金(価格)が上昇すると、乗車回数(需要)は減ります。
(A点に注目)



その乗車回数が、8,000回のとき、
お客さんは600円で乗車サービスを求めます。



そしてタクシー事業者は、400円で乗車サービスを提供し、
200円(600円-400円)の利潤が手元に残ります。



そのタクシー事業者の利潤に200円に対して課税され、
政府の税収となっているのです!!!



細い供給曲線から太い供給曲線の軌跡を見てみると、
ちょうど「くさび」が打ち込まれたような図に見えます。




くさびが打ち込まれた図





くさびが打ち込まれた図








政府税収の計算方法






さらに、Y軸からA点とB点までの長さと、くさび上のA点からB点の高さ
に注目してみましょう。



長さと高さの、それぞれを掛けると、
ちょうど、タクシーの売上に対する政府の税収となります。



このときの「タクシー税」は、
200円×8,000回 = 160万円の政府税収が見込まれます。






政府税収の図




政府税収










でももっと注目していただきたいのは、
その隣にある「三角形AEB」の部分なんです△△△




この三角形こそが課税による社会的損失
すなわち「失われた費用」となります。



2012年8月29日水曜日

死荷重と消費税

重くて暑い税金のおはなし


毎日、毎日、ク○暑いですよね(〃゚д゚;A アセアセ・・・
このブログを書いているそばでセミがミンミン鳴いてます。








早く、秋にならへんかな~~~。。。
それでなくても今から「重いネタ」書くのに。



政府の税収と死荷重




さて、前回のブログの記事をおさらいしましょう。
このような↓グラフを載せていました。


政府税収と死荷重







この図にもう少し解説を加えてみましょう。 色がついた三角形で仕分けてみます。




政府税収と死荷重2





色がついた2つの三角形は、モノやサービスを取り引きするときの、


売り手供給者、赤い三角形)と
買い手需要者、青い三角形)の


利益をそれぞれ表しています。





2つの三角形の面積は、自由に伸び縮みします。
本来の均衡価格Eに対して、税金をいくら上乗せするかで、
売り買いに対する利益が決まっていきます。
そのとき合わせて政府の税収も決まります。


「社会的損失」の発生



上の図において最も重要なことは、
税金によって死荷重すなわち「社会的な損失」も決まってしまうということです。




alt





ん?
なんじゃ、その「社会的な損失」って。
でも「政府税収=社会的損失」ってわけじゃないですよ!。両者は別物です。
今度はそこらへんのところを需要供給の図を動かしながらつっこんでいきます



あ、すいません。忘れてました。追記です。



さっきから管理人が税金、税金と言っているのは、
経済学のテキストで、よく「物品税」と言われています。



勘の鋭い方は。もうお気づきかもしれません。
物品税」とは、今何かと騒がせている「消費税」とも言えますね。



ちゃんちゃん!






2012年8月28日火曜日

死荷重について

公務サービスの費用





私たちが生きていく上で必要なサービスって、さまざまなものがありますよね。
例えばこんなものがあります。




  • 電気サービス
→冷房がないと夏乗り切れません。ブログ支配人は根性無しなんで。。。

  • 映画サービス
→そりゃたまには息抜きしたいし、万一ハズレの映画を見ても涼める。

  • 飲食サービス
→夏はやっぱりカキ氷やろ!!




かき氷とラムネ



って今クソ暑いせい季節のせいか、夏関連のサービスばっかりですが、
こんなサービスもありますよね↓↓↓



  • 防衛サービス
→発電のために使う石油のタンカーが海賊に襲われたらどないすんねん。誰か海洋警備して!


防衛サービスのための航空母艦



  • 外務サービス
→せっかく日本を脱出して避暑に行くのに、外国の治安は大丈夫か?誰か情報教えて!


外交サービスのための外交交渉



と、まあ例をあげればキリがありません。



このうち上の3つは、サービスの受け手と担い手がはっきり区別ができます。
サービスに必要なお金はサービスの受け手が「個別に」支払います。



下2つのサービスは、受け手と担い手がはっきり区別できません。
従ってサービスに必要なお金は、サービスの受け手が「まとめて」支払います。



この受け手が「まとめて」支払うお金のことを、「税金」と言います。


税金は政府の費用と死荷重の合計




経済学では、この「税金」に関する分析が主要なテーマの一つです。


"課税の経済的費用を算定し、その費用をだれが負担するかを確かめ、
そして課税で生じる費用を軽減するような税体系に変える方法を提案する"




「課税で生じる費用」?



要するに、「政府の税収民間の費用」のことですか?



まぁ、それも当たりですが、費用はまだあります。
< その名も「死荷重」。いかにも重苦しい字面ですよね。


そうなんです。これが重いんです。それもそのはず、下の図の通りです。


(政府税収と死荷重)



死荷重の図



実は政府の税収死荷重も、
需要と供給」の線を少しずらすだけで、容易に理解できるんです!!!



次はこのお話についてもうちょっと突っ込んでみます(。-_-)ノ☆・゚::゚ヨロシク♪



ブラックマーケットと最低賃金

ブラックマーケットについて


どうも。えちぜんやよーたです。




えちぜんやよーたイメージ



さて、前回のブログの「線で広がるブラックマーケットの世界」をUPしました。
 たかが一本の線が「ブラックマーケット」と何の関係があんねん、って感じですね。


価格規制


まぁまぁそう言わず、
需要と供給の図の、Y軸に対して垂直になるように 線を引いてみなはれ。



価格規制の効果(下限価格規制)

下限価格規制




すると需要曲線供給曲線は点Eで均衡していたのに、
 「一本の線」で交点が、A,Bの2か所に分かれます。



実は、需要と供給が、自然と一致する均衡点よりも、
人為的に上の価格を、取引価格としてしまうと、
需要は少なくなり、 供給は多くなります。このとき供給過剰の状態が発生します。



供給過剰の状態が発生すると思わぬ「副作用」が発生します。



最低賃金



例えば最低賃金について考えてみましょう。



最低賃金の計算




E点が去年の最低賃金が時給750円だったとします。
下限価格規制によって、時給が800円になるとどうでしょう。



  • 労働供給は増加(労働市場で労働サービスを供給する労働者は増える)
  • 労働需要は減少(労働市場に労働サービスを供給する雇用主は減る)



結果、労働サービスが過剰発生し、失業者の増加という「副作用」を招くことになります。



価格規制の効果2



最低賃金制度


ここまできてようやく冒頭のネタが登場します。
そう、ブラックマーケットの出現です!以降はあくまで、「管理人の予想」です(笑)


・失業の増加

・就業に絶望した労働者の発生

・政府当局から雇用を隠したい雇用主の発生

・両者の思惑が一致

・労働ブラックマーケットの発生



ブラックマーケット



ちなみに人為的に定めた賃金が均衡点Eよりも下の価格であれば、
 「副作用」は生じないと思います。



もっともそうなれば「何のための最低賃金の規制か?」という
声も聞こえてきそうですが。。。
(「ブラックマーケット」シリーズ終わり)


ブラックマーケット

おちゃらけミクロ経済学のはじまり


どうもはじめまして。
経済学教科書をつくろう!」のえちぜんよーたです。



新聞を読む人



みなさんは、経済学にどんなイメージをお持ちでしょうか?
私は自分で「経済学教科書をつくろう!」というサイトを作ってます。



その前は経済学の考え方をに惹かれて
「クルーグマン」、「スティグリッツ」の
マクロミクロ経済学の教科書を使って勉強してました。



需要と供給の法則




でも勉強してて途中で気付くんですよね。。。
「読んでるだけやったらあかん!わからん」って。



悩む人




例えば、世にも有名な需要と供給の法則があります。
どの教科書でもかなり最初の方に出てきます。
このあたりだったら読んでるだけでも経験的に分かります。



こんな図のやつです↓↓↓


需要と供給の法則


需要と供給の法則






一本の線とブラックマーケット


ですが、大体次に出てくるテーマは



「消費者余剰」
「厚生」とかです。



このへんになってくると読んでるだけでは理解するのがきつくなります。
文字を読むのがつらくなります。そしてどうしようもなく眠くなります(笑)



「自分、ちょっとは根性見せたれよ!!!」
そのへんに散らかっている裏が白い使い古しのペーパーに
作図をすることにしました。



そういや小・中学生のころ
教科書のはしっこに落書きするのが大好きな子でした。



その頃のことも思い出しつつ、出来上がったのがこんな図です。


価格規制の効果


価格規制の効果図




たった一本の線で世界が広がります。



そう、



「ブラックマーケット」の世界が見えてきます。




DVDレコーダー





(つづく)