おちゃらけミクロ経済学: 自由貿易と割当

2012年10月9日火曜日

自由貿易と割当

物資不足の世の中を考えてみましょう




みなさんは、ブツ(財・サービス)が少なくなると、どうなると思いますか?
ブツの供給が過剰になっているような時では、



「やれやれ、競争相手が減って良かった!」とか、「デフレにならんで済むわ」とか、
思われるかもしれません。



ですが、「おちゃらけミクロ経済学」のローカルルールとして、
ブツが、不足しているような経済を考えてみましょう。
毎度、おなじみですが、みなさまの頭の中に、実験室を作っておいてください。


取引をやめるとどうなるか?



かつて、絶海の小島に漂流していた、ロビンソンと吉之助は、
お互いの食料を取引することによって、栄養状態を保ち、
なんとか生き残ることができました。



数年後、小島には、他の漂流者もたどりつき、さらに何世代かのちには、
2つの村ができていました。村の名前は、ロビ村ときち村と言います。




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ご先祖さまたちが、取引をすることによって、サバイバル生活をしてきたせいか、
お互いの村は、それぞれの得意分野の食料を生産し、取引を行って生活しています。




ロビ村の人たちは、マグロの養殖業に特化し、
きち村の人たちは、バナナのプランテーションに特化しています。



ところが、ある日、きち村のプランテーションが、何者かに荒らされ、
きち村の人たちは、ロビ村の人たちを、疑うようになりました。



そうすると、ロビ村の人たちも、きち村の人たちを怪しむようになり、
お互い食料の取引をすることをやめてしまいました。



すると、お互いの村の経済はどうなるでしょうか?
きち村の、バナナの生産、取引、消費を例にとって考えてみましょう。


  • 取引をしていたとき

生産量:4000房
取引量:2000房
消費量:2000房


  • 取引をやめたとき

生産量:1600房
取引量:0房
消費量:1600房




ケンカの前後で、消費用のバナナが、400房減少しています。
マグロを自分たちで捕ってくる必要が生じ、得意なバナナの生産に特化できなくなったためです。
(きち村の人たちは、魚のたんぱく源がどうしても必要だ、ということにしておきましょう。
あくまで思考上の実験です)



割当の開始




というわけで、きち村の村長である小吉は、村人たちにこう呼びかけます。
「ロビ村の連中のせいで、今年から、必要なバナナの量が400房足りなくなり、
1600房になってしもうた。みなには、バナナが平等に行きわたるように。割当を行いたいと思う」



きち村の、元々のバナナについての需要供給は、以下の通りです。



ロビ村におけるバナナの需要と供給




ロビ村におけるバナナの需要と供給



そして、村長の小吉の言葉を、需要供給の図を用いて表すと、こういうことになります。




割当をしたときのロビ村におけるバナナの需要と供給






X軸に対して一本の垂直な線が、くさびのようにかかっています。
これが、小吉の言葉に合った、割当の意味です。
この割当について、経済学的にいうと、「市場の厚生を歪める」とも言います。



割当は、一般的な名詞としても使われますが、経済学用語としては、かなり曲者です。
ですので、次のブログで、もうちょっと突っ込んで考えてみましょう。。。o(゚^ ゚)ウーン
(つづく)










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