おちゃらけミクロ経済学: 比較優位と機会費用

2012年10月1日月曜日

比較優位と機会費用

比較優位をグラフで表してみよう




絶海の小島の漂流してきた2人が、魚捕りやバナナ集めについて、
それぞれの得意分野に特化して、取引をすると利益が生じます前回のブログ)。
前回は、で説明しましたが、今回は関数のグラフとして表現してみましょう。






グラフの違いをよく見てみよう!




取引後のロビンソンの食料確保量と消費量



取引後のロビンソンの食料確保量と消費量



取引後の拡張した吉之助の食料確保量と消費量


取引後の拡張した吉之助の食料確保量と消費量



2人とも食料確保量と消費量が右側に拡張しています。
これを「取引による利益」と丸めた説明で終えることも可能です。
しかし、それでは当ブログを書いている管理人自身が、モヤモヤ感を残してしまいます。


絶対優位と比較優位



ここで、絶対優位比較優位の違いについて考えてみましょう。



絶対優位

(単なる数量勝負なら コチラ !)


◆ロビンソン
バナナの収穫も魚捕りも、吉之助よりたくさんの量を確保できる。


◆吉之助
バナナの収穫も魚捕りも、ロビンソンよ少ない量しか確保できない。


●魚捕りについて
ロビンソンの最大確保量は、80匹。吉之助の最大確保量は40匹。


●バナナの収穫について
ロビンソンの最大確保量は、60房。吉之助の最大確保量は40房。



【絶対優位による結論】
ロビンソンは、バナナの収穫も魚捕りも、「絶対優位」にある。
吉之助は、バナナの収穫も魚捕りも、「絶対劣位」にある。



比較優位

(取引利益を得るならコチラ!)


◆ロビンソン
魚1匹を捕まえるために、バナナ3/4房をあきらめなければ(支払わなければ)ならない。
バナナ1房を収穫するために、魚を4/3匹あきらめなければ(支払わなければ)ならない。


◆吉之助
魚1匹を捕まえるために、バナナ2房を(支払わなければ)ならない。
バナナ1房を収穫するために、魚を1/2匹あきらめなければ(支払わなければ)ならない。


●魚捕りについて
魚1匹を得るために、ロビンソンの方が費用効果が良い。
あきらめなければならないバナナは3/4房で、吉之助の2房と比べて、費用が少なく済む。


●バナナの収穫について
バナナ1房を得るために、吉之助の方が費用効果が良い。
あきらめなければならない魚は1/2匹で、ロビンソンの4/3匹と比べて、費用が少なく済む。



【比較優位による結論】
ロビンソンは、魚捕りについて、吉之助と比べ、比較優位にある。
吉之助は、バナナの収穫について、ロビンソンと比べて、比較優位にある。



比較優位と機会費用について




比較優位の考え方を用いるとき、機会費用という概念が登場します。
これは、次の考え方にもとづいています。




「一方の食料を、一定量確保するために、もう一方の食料確保をどれぐらい
あきらめなけれればいけないか」





「比較優位」では、「機会費用」による費用効果を比較し、
ある一方の財の生産するために、犠牲にするもう一方の財をより少なくできることを
「優れている」と表現します。





(比較優位~バナナと魚の機会費用)






このように、両者がある財について、
「比較優位をもつとき、取引による利益が発生する」と言います。
(つづく)



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