おちゃらけミクロ経済学: 限界費用逓増の法則と微分 その2

2012年10月25日木曜日

限界費用逓増の法則と微分 その2

費用曲線のおさらい





さて、前回のブログで2つのグラフを示しました。
それぞれ、わが町の製パン業界での、費用を示すグラフでした。



パン屋さんの費用曲線その1




パン屋さんの費用曲線その1

(特徴)

  • 生産個数が少ないときは、傾きが小さい
  • 生産個数が多いときは、傾きが大きい



パン屋さんの費用曲線その2



パン屋さんの費用曲線その2



(特徴)

  • 生産個数に係らず、傾きは常に一定




総費用について




先に、ミクロ経済学の専門用語を使って、結論を述べると、
パン屋さんの費用曲線その1は、生産個数の総費用を表しています。
パン屋さんの費用曲線その2は、生産個数の限界費用を表しています。



総費用は、その名の通り、パンを生産するのにかかった、全ての費用を表します。
主に次のものが、挙げられます。



  • 土地の取得費用
  • 工場の建設代金
  • 製造ライン設置費用
  • 材料費(小麦粉・砂糖・塩など)
  • 水道・光熱費
  • 人件費
  • その他販売経費



アンパンマンの銅像

アンパンマンの銅像 / Takanori Ishikawa




限界費用について




限界費用とは、もう1単位のパンの生産量を追加するときにかかる費用の増加分、
を表します。おちゃらけミクロ経済学名物の、作図で考えてみましょう。
総費用の3ヶ所に、それぞれ直線をあてがい、傾きを観察します。



パン屋さんの費用曲線と3本の接線




パン屋さんの費用曲線と3本の接線



  1. 生産個数が少ないときは、傾きが小さい
  2. 生産個数が中ぐらいのときは、傾きが中ぐらい
  3. 生産個数が大きいときは、傾きは大きい


何だか、見たまんまのことを、説明していますね。
ミクロ経済学的な言い方に換えると、表現はこうなります。


  1. 生産個数が少ないときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、少ない。
  2. 生産個数が中ぐらいのときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、中ぐらい
  3. 生産個数が大きいときは、もう1単位のパンを作るための追加的な費用は、大きい。



ちょっと分かりにくいですね。
今度は、パン屋さんの立場に立って、より商売的な言い方をすると、表現はこうなります。
直感的に考えるならば、商売的な言い方が、もっともピンとくるかもしれません。


  1. 生産個数が少ないとき設備や人員が遊んでいる。増産が、ラク
  2. 生産個数が中ぐらいのとき設備や人員は、ほぼ100%の稼働。増産はコストが発生
  3. 生産個数が大きいとき設備や人員が、100%超の稼動。増産は莫大なコストが発生



パン屋さんの費用曲線を商売的に説明する


パン屋さんの費用曲線を商売的に説明する




限界費用で使われている、限界の考え方について、
なれないうちは、いまいち分かりにくいかもしれません。
次回のブログで、噛み砕いて説明してみましょう。
(つづく)







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