おちゃらけミクロ経済学: 取引利益と個別消費者余剰

2012年9月10日月曜日

取引利益と個別消費者余剰

小麦と経済学のビミョーな関係



前回のブログでは、「ノンアルコール飲料」→「麦芽」→「麦」つながり、
ということで強引に小麦を引っ張り出しました。



本当のところノンアルコール飲料の麦芽は、大麦から作られているそうです。
実は言うと、経済学で概念を説明するには、小麦や、それで作られるパンなどが、
説明しやすいので、このまま小麦でもって話を続けます。



「値下がり」 → 消費者の「超ラッキー!」感 → 消費者余剰とは?





では、まず消費者余剰について考えてみましょう。
わが町には、次の5軒のパン屋さんがあります。




食パン



  • ワロタ製パン
  • ネトゲ加工パン
  • なう食品
  • 元祖パワポ屋
  • ベーカリー・ジャムおじさん


わが町の住人は、朝食の食パンにはうるさい人たちばかりです。
どのパン屋さんも、自分のお店の経営状態を考えながら、最高の食パン作りに励んでいます。




5軒のパン屋さんの近くには公設の小麦市場があり、
そこから原料の小麦粉を仕入れています。
ある日、最高級品質の小麦粉100kgが5000円で売り出されました。




そのときの各パン屋さんは自分のお店の経営状態を考え、
支払意欲額は次のように考えしました。



                支払意欲額
ワロタ製パン           →7200円
ネトゲ加工パン          →6400円
なう食品              →5400円
元祖パワポ屋          →4800円
ベーカリー・ジャムおじさん  →4200円



さてこの支払意欲額から、実際に支払った額を引いてみましょう。





                 支払意欲額     支払った額     差額
ワロタ製パン            →7200円     5000円     2200円
ネトゲ加工パン          →6400円     5000円     1400円
なう食品               →5400円     5000円      400円
元祖パワポ屋          →4800円     --円            --円
ベーカリー・ジャムおじさん  →4200円     --円            --円




ここでいう差額とは、経済学の専門用語を使うと、個別消費者余剰といいます。
これは、支払っても良いと思う額から、実際に支払った額のことを指します。




h3消費者余剰とは「超ラッキー!」感



ワロタ製パンの社長にしてみると、この差額の発生によって
「最高級品質の小麦粉って聞いたから7200円ぐらいは、
払わなあかんと思ってたけど5000円で済んだ。2200円は超ラッキー!!!」と感じることになります。



平たく言えば、「差額=超ラッキー!!!」ということです。
専門用語を使うと便益ともいいます。




ちなみに元祖パワポ屋とベーカリー・ジャムおじさんについては、
そもそも支払意欲額が支払価格を下回るため、
差額(超ラッキー!!!)は発生しません。



以上のことを表すと、下の階段ような図が出来上がります。




小麦粉市場の個別消費者余剰




小麦粉市場の個別消費者余剰


そして、よく見ると青色の長方形は、



  • ワロタ製パン 
  • ネトゲ加工パン
  • なう食品



のところ(個別消費者余剰)だけです。
小麦市場の需要者側の消費者余剰合計額は、
4000円(=2200円+1400円+400円)となります。




この4000円については、経済学者の先生方の間では、
総消費者余剰といわれる部分です。



と、ここまで読んでいただいた方、本当にありがとうございます。
専門用語をたくさん並べてしまいました。



なるべく専門用語は噛み砕いて説明するようにいたします。
ミクロ経済学の「おとなの約束事」として、思っていただければ幸いです。



あまり専門用語をならべても、所詮、当ブログの管理人の知識程度では、
ウィキペディアに勝てませんし。

(つづく)




















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